ある日の夕方、次女が学校から帰ってくるなり、
「お腹が痛い……」と、くの字になって動かなくなりました。
熱はない。顔色もそこまで悪くない。
けれど、水分であれ、ほんの一口であれ、
お腹に入れるとすぐトイレに行く状態。
お母さんなら、
「ただお腹が冷えただけか、何か違う感じか」
わかるのではないでしょうか。
「様子を見る?病院?」母の頭の中はフル回転
子どもの体調不良のとき、母の頭の中は一気に忙しくなります。
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- 感染性のものかな?
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- 夜中に悪化しない?
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- 今夜は眠れる?
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- 病院に行くなら、いつ?
特に夕方以降は
「今夜は様子を見ても大丈夫かな?」「まだ午後の診察にギリギリ間に合う?」
など、判断を迫られる場面も多いかと思います。
次女は食欲がなく、喉も渇かない。
ソファで膝を抱え
「こうしてると楽」と静かにしていたので、胃腸炎と言えばのVerat.をとらせて様子を見ることにしました。
家庭内あるある。子どもから伝播
その晩、私にも症状が出始めました。
「あ、これはもらったな…」という感覚。
気分が悪く、自然と膝を抱えて丸くなる。
冷えないようにと湯たんぽを入れて布団に入りましたが、
布団の中が暑くなるにつれ、吐き気が強くなりました。
結果的に、2回しっかり嘔吐することに…
「3回目吐くのは嫌だな…」と思ったところで、ようやくレメディを摂ることに。
正直、遅いですね。笑
子ども優先、家のこと優先。
自分のケアはつい後回しになりがちですね。
このときは
吐き気、消耗感、じっとしていたい感じから
Ars.を1粒。
あっという間に症状は治まり、そのまま眠りにつきました。
基調から見えてきた Thuj. という選択
翌日、吐き気はすっかり消えましたが、
身体は重く、一日中ゴロゴロと過ごすことになりました。
体調が戻りきらないまま、子どもの看病をしなければならない状態。
ここで、ふと浮かんだのが Thuj. でした。
胃腸炎の定番レメディではありませんが、
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- 膝を身体に引き寄せると楽
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- 寝床の熱、暑さで悪化
という基調が、今回の状態とぴったり重なっています。
症状自体はArs.で抑えられましたが、全体像としてはThuj.のほうが深く合っているので
1粒とってみると、身体の重さが抜け、「あ、もう大丈夫」と感じるところまで回復しました。
症状よりも「どうすると楽か」を見る
ホメオパシーでは症状そのものよりも、
「どうすると良くなり、どうすると悪くなるか(基調)」
を大切にします。
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- 膝を抱えると楽
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- 横になって静かにしたい
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- 喉が渇かない
「胃腸炎だからこのレメディ」
と決めつけず、
その人の反応を丁寧に見ることで、より合致するレメディを選ぶことができるのです。
ホメオパシー的急性症状に対処する考え方
子どもの体調不良は、
大抵突然始まり、どう看病したら良いか正解がわからないことも多いかと思います。
でも、
-
- どんな姿勢が楽そうか
-
- 暑さや寒さへの反応
-
- 喉の渇きの有無
こうした小さなサインは、身体が教えてくれているヒントです。
症状名に振り回されすぎず、
「この子はいま、どうすると楽?」「何を食べたがっている?」
そんな視点を持つことで、レメディが選びやすくなると思います。
胃腸炎のレメディは他にもありますが、今回登場したレメディの比較表をまとめたので参考にされてください。
⚫︎胃腸炎のときに迷いやすいレメディ簡単比較表⚫︎
― Ars. / Thuj. / Verat. ―
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見るポイント |
Ars. |
Thuj. |
Verat. |
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全体の印象 |
つらくて不安、落ち着かない |
こもって停滞している感じ |
一気に出して、力尽きる |
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下痢・嘔吐 |
ヒリヒリする下痢、嘔吐 |
胃腸症状は控えめなことも |
水のような激しい下痢・嘔吐 |
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冷え |
あまり目立たない |
体内にこもる感じ |
強い冷え、冷汗 |
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暑さ・寒さ |
温かいとやや楽 |
寝床の暑さで悪化 |
温めると楽 |
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姿勢・行動 |
じっとしていられない |
膝を抱えると楽 |
横になって休みたい |
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喉の渇き |
少量ずつ頻繁に飲みたい |
あまり渇かない |
あまり飲みたがらない |
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気持ちの様子 |
心配、不安、落ち着かない |
内にこもる、違和感 |
ぐったり、反応が弱い |
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こんなときに |
不安が強い胃腸炎 |
基調が独特なとき |
激しく消耗しているとき |
こんなときは、迷わず医療の力を
自然療法やホメオパシーを使っていても、医療が必要な場面は確実にあります。
例えば、
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- 水分がほとんど取れない
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- 半日以上、尿が出ていない
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- 高熱が続く
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- ぐったりして反応が鈍い
こうした場合は、迷わず医療機関に相談してください。
「自然療法を使っているから病院に行かない」
ではなく、
必要なときに、必要な助けを借りる
それも大切な判断だと思っています。
最後に
今回の体験は、
ホメオパスとしてだけでなく、
一人の母としても、
改めて「観察すること」の大切さを教えてくれました。
すべてを完璧に判断しなくていい。
迷いながらでも、
子どもを見て、感じて、選んでいく。
この備忘録が、同じように悩むお母さんの
小さなヒントになれば嬉しいです。
ホメオパシーのご相談について
子どもの体調や、家庭内で繰り返す不調について、 「これでいいのかな?」と迷うことがあれば、
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一緒に整理しながら考えていきましょう。
