先日、『ヒポクラテスの盲点』というドキュメンタリー映画を観てきました。
コロナワクチンをめぐる副反応やデータ操作、医療現場の葛藤など、医療の“見えない部分”に静かに光を当てる作品です。
重たいテーマではありますが、感情をあおるような演出ではなく、淡々と事実に向き合う視点で描かれていたのが印象的でした。
観ているうちに、当時の混乱した空気感や、心の奥にしまい込んでいた小さな違和感が、少しずつ思い起こされていきました。
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二極化の中で失われがちだった「立ち止まる時間」
私たちは膨大な情報の中で暮らしています。
コロナ禍当時は、テレビやSNSで毎日のように感染者数や医療情報があふれ、ワクチンについても「打つ/打たない」「効果/副反応」という二極化した議論が目立っていたように思います。
「打つのが当たり前であり思いやり」という空気の中で、多くの人が、ゆっくりと考えたり、立ち止まって自分の感覚に耳を澄ませる時間を持ちにくかったのではないでしょうか。
この映画は、まさにその「考えるための余白」を静かに差し出してくれるような作品でした。
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情報があふれる時代だからこそ、自分の軸で選ぶ
私はホメオパスとして、日々さまざまな相談を受けています。
その中で痛感するのは、最終的な判断はいつも「その人自身」に委ねられているということです。
どんなに医学が進歩しても、どんなに“正しそうな情報”があっても、最後に選ぶのは自分。
自分の体と心の声を聴き、自分の軸で選ぶことが、安心や納得につながっていくのだと感じます。
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ホメオパシーの姿勢と映画が重なった瞬間
ホメオパシーの相談では、症状や検査結果だけでなく、その人の背景や体質、気持ちの揺れ、人生の流れまで丁寧に聴いていきます。
それは、表に出ている情報だけではわからない「本質」に耳を澄ませる作業でもあります。
映画を観ながら、この姿勢の大切さを改めて心に刻みました。
目に見えることだけがすべてではない――そんな当たり前のことを、静かに思い出させてくれるような時間でした。
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「私は何を大切にしたいのか」に立ち戻る
ワクチンや医療への考え方は、人によってさまざまです。
大切なのは、他人の意見に流されるのではなく、自分の感覚と価値観に立ち戻ること。
「誰かがこう言っているから」ではなく、
「私はどう感じているのか」
「何を大切にしたいのか」
この問いを、自分自身に投げかけることが、情報があふれる今の時代において欠かせない姿勢だと思います。
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映画を観終わったあと、胸に残ったのはこのシンプルな問いでした。
あなたは、健康や医療について判断するとき、何を一番大切にしていますか?
静かに立ち止まり、自分の感覚と向き合う――そんな時間を持つきっかけになれば幸いです。
